これからのシーズン、だんだんと寒くなって夜も長く、暖かい我が家で好きなハンドメイドをゆっくりと楽しみたいという人が増えてきます。いろいろなハンドメイドがあるなか、今回は秋・冬にぴったりなフェルトについてその素材の魅力に迫ります!
CONTENTS:
1.そもそもフェルトってなに?
2.実は紀元前から始まるフェルトの歴史
3.こんなにもすごい!フェルトの特性とそのメリット
4.人気の安心・安全マテリアル
5.フェルトの注意点
6.ハンドメイドに最も適した素材
7.まとめ~フェルトの魅力
1.そもそもフェルトってなに?
フェルトとは、羊やラクダ、ウサギなどの動物の毛が絡み合ってできた不織布の一種で、やや厚みのある、少しラフで柔らかい手触りが特徴の布地です。その製法から、フェルト(felt)の語源は、「フィルト(filt)こす」、「フィルター (filter)こすもの」に由来していると言われています。
2.実は紀元前から始まるフェルトの歴史
フェルトの歴史は古く、古代紀元前5~4世紀にはアルタイ地方で既に加工されて使われていた形跡もあり、日本では奈良時代に中国から献上されたのが正倉院所蔵の敷物、毛氈(もうせん)が、現存する日本最古のフェルトとして知られています。
3.こんなにもすごい!フェルトの特性とそのメリット
フェルトの特性は優れたものが多く、主に次のようなメリットがあります。
・断面がほつれない
・優れた断熱性と保湿性
・高い弾力性、クッション性
・防音、吸音性
フェルトが他の布と明確に異なるのは、織物ではないので、カットしても断面がほつれないことが大きな特徴であり、メリットでもあります。
一般にフェルトは、断熱性があり、保湿性に優れ、昔から帽子やコートに靴下、敷物やテントなど、暖かさを保つために古くから利用されてきました。
フェルトはクッション性にも優れています。これは、フェルトがもともと動物の毛からできているもので、動物の毛はカラダを守るためのものですから、弾力性やクッション性に優れ、スリッパやビリヤード台、ピアノにも使用されています。実はこのピアノのハンマーの先端についているフェルトはとても重要な役割を担っていて、フェルトによってピアノの音色が変わってしまうほどです。
また、防音性や吸音性にも優れています。フェルトにはスポンジのように小さな孔がたくさんあるので音を伝えにくい性質があります。
このようにフェルトはたくさんの優れた特性があるため、日用品から工業用品まで幅広い分野で使用されています。
4.人気の安心・安全マテリアル
フェルトは安心で安全な素材として、小さなお子さまのおもちゃや、高齢者のトレーニングアイテムなどにもよく使用されています。柔らかく弾力性のある布地ですから、投げたり落としたりしてしまっても安心です。また、洗うことのできるフェルトもあるので衛生的です。人にも環境にもやさしい素材ですから、赤ちゃんから高齢者まで安心して使えるフェルト。安全性に優れた良質なマテリアルとして、今後もますます人気が高まりそうです。
5.フェルトの注意点
フェルトは不織布なので織物とは違い、引っ張りに弱いというところもまた特徴の一つです。織っても編んでもいないので、他の布にはある縦と横の布目がありません。このためフェルトは、強く引っ張ってしまうと引きちぎれてしまうので注意が必要です。
6.ハンドメイドに最も適した素材
フェルトは比較的簡単にモノづくりができる、ハンドメイドに適した布地です。初心者にも簡単に扱えることから、小学校時代にフェルト制作したという方も多いと思います。それは、ハサミで切っても断面がほつれないので、針と糸を使わなくてもボンドで貼って工作することもできますし、厚みのあるしっかりした布地なので縫い合わせもしやすく、裁縫が苦手でもとても扱いやすいからです。
また安価なので、手軽に始められるところも人気が高いところ。マスコットやアクセサリーなどの小物から、ままごとセットなどのおもちゃに実用性のあるバッグまで、さまざまなオンリーワン作品が作れます。フェルトは初心者から上級者まで、技術や用途に合わせてお手軽お気軽に始められるので、最もハンドメイドに適した素材だと言えるでしょう。
7.まとめ~フェルトの魅力
フェルトは保湿性やクッション性、扱いやすさに安全性など、優れた特徴がたくさんある布地です。このため、フェルトは古くからさまざまなものに利用され、身近な素材として親しまれてきました。また、ハンドメイドに最も適した良質なマテリアルで、フェルトで作られているというだけで、その柔らかい質感と優しい温もりに、見ているだけで癒しを感じます。手軽に何か作ってみたい、子どもが安心して遊べるおもちゃを作りたい、高齢者のトレーニングに役立てたい、そんな方にぜひおすすめしたい素材です。