共働き家庭やひとり親家庭が増加しているなか、児童が放課後安全に安心して過ごせる場を求める声が高まっています。少子化で児童の数は減っていますが、今後も放課後児童クラブ(学童保育、以下学童保育)利用児童数はますます増えるものと思われます。

そこで、学童保育の現状と、これからどのような保育や支援が求められるのかをまとめました。

 

CONTENTS:

1.学童保育の現状

2.増える高学年児童の利用者数

3.子どもが途中退所する理由とは

4.子どもに負担をかけないためには

5.学童保育に対する期待

6.今後の課題

7.まとめ

 

1.学童保育の現状

厚生労働省の平成29年(2017年)「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況調査」によると、登録児童数も放課後児童クラブ数(学童保育数)もともに増加傾向にあり、児童数は前年比7万8千人以上の117万1500人以上。一方、いわゆる待機児童数は減少傾向にあります(下図)。

※産経新聞によると、2018年10月3日に公表された民間団体「全国学童保育連絡協議会」の調査で、学童保育の全国の利用児童数が5月1日時点で、121万1522人(前年比6万3204人)となり過去最多を更新したことが分かりました。

 

2.増える高学年児童の利用者数

特に2012年8月に児童福祉法が改訂され、学童保育は「6年生まで」が対象となりました。これにより5、6年生の利用が急増しています。

※それまでの児童福祉法では、学童保育の対象児童が「小学校に就学しているおおむね10歳未満の児童であって、保護者が就労等により昼間家庭にいないもの」(第6条の3第2項)とされていましたが、児童福祉法の改定により、「小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないもの」になりました。

 

従って、保育内容も低学年中心ではなく、低学年から高学年まで、学年に合わせたより幅広い支援が求められることになります。

 

3.子どもが途中退所する理由とは

2009年度の国民生活センターによる「学童保育サービスの環境整備に関する調査研究」における「学童保育の中途退所児童」について市町村を対象に行われた調査結果によると、退所事由として以下のような理由が挙げられました。

 

・引越し、転勤により退所

・リストラや失業などで就業状況が変化したことにより退所

・子どもが学童保育に行きたがらない(指導員の対応、保育内容に不満があり退所)

・開設時間や開設日が就労状況と合わないので退所

・保育料が高額、有料になったので退所

 

引越しやリストラ、就労状況などの物理的、経済的な事由のみならず、「保育内容に不満を持ち、子どもが学童保育に行きたくない」と思う理由で退所してしまうのは、避けられる事由だけにたいへん残念なことだと言えるでしょう。

 

4.子どもに負担をかけないためには

全国学童保育連絡協議会は、子どもが負担に思うことなく学童保育に通い続けるためには、一時的な「受入児童数拡大」「待機児童解消」ではなく、子ども一人ひとりが安心して関係を築けるように以下のようなことが必要だと述べています。

 

・学童保育(支援の単位)ごとに、子どもの所属を明確に区分し、それぞれに施設を整備し、2人以上の適切な指導員数を配置すること

・人数規模の上限を守りながら必要な数だけ学童保育を増やすこと

・保育内容の充実と指導員の力量を高めていくこと

 

単に施設を増やし、受入れ児童数を増やすだけでなく、指導員や支援員の数を拡充するとともに、その力量や保育の内容の充実を高めていかなければなりません。

 

5.学童保育に対する期待

一般社団法人キッズコーチ協会(東京都世田谷区)は「学童保育の利用に関する母親向けの実態調査」を2016年に実施しました。

◆「あなたが学童保育で過ごす時間を通じて、お子様に身につけて欲しい能力はなんですか(回答は3つまで)」という質問の回答が以下のグラフです。

このグラフから分かるように、保護者が学童保育に期待することTOP5は以下の通りです。

 

1位 集団生活、集団行動に順応する力をつける(59.8%)

2位 相手の気持ちや立場を理解する力をつける(36.4%)

3位 マナーや挨拶、礼儀を身につける(26.4%)

4位 協力し合って何かを成し遂げる力をつける(20.3%)

5位 自分の考えや気持ちを伝える力をつける(18.1%)

 

学童保育のなかで、集団生活の順応力と、これからのグローバル化時代にますます求められる「コミュニケーション力」を身につけることを期待している保護者が非常に多いことが分かります。

 

6.今後の課題

同じくキッズコーチ協会の同調査では、学童保育に対する期待度(「とても期待した」「やや期待した」の合計)と、満足度(「とても満足」「やや満足」の合計)の2つの指標を用いて、今後の対応課題の抽出(CSポートフォリオ)を作成しています。

これによると、「最優先改善項目」には、過年度から継続して「支援内容が充実している」が挙げられており、これに加えてさらに「勉強に集中して取組める」「学習の補習ができる」が位置づけられていることが分かります。

また、通わせて良かったと思う点では、学校や年齢を越えて「友達ができる」が挙げられていて、子ども同士の交流の場として期待していることも分かりました。

 

7.まとめ

家庭環境が大きく変わるなか、今後ますます増えると思われる学童保育児童利用者数。1年生~6年生までのさまざまなタイプの児童が安心・安全に過ごせる場であることはもちろん、これからはその保育・支援内容が充実したものであることも求められます。

 

集団で何かを成し遂げたり、年齢を越えてコミュニケーションができるような遊びであったり、知育向上につながるような内容が期待されるでしょう。

単に数だけを増やすのではなく、働く保護者にとっても、何より児童本人にとって、この放課後児童クラブ(学童保育)に通って本当に良かったと思われるような保育・支援であって欲しいですね。

 

 

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