ピアノは、子どもに習わせたいお稽古事として、今も昔も必ず上位に入る王道の習い事です。

昔から「ピアノを習っている子どもは頭がいい」と言われてきましたが、実際に有名な脳科学者がそれを実証しています。いったいどういうことなのか、「ピアノと脳」の関係について詳しくご紹介します!

CONTENTS:

1.習い事はピアノだけでいいって本当?

2.脳と手指の関係

3.脳をフル回転させるピアノ演奏!

4.ピアノを継続することで脳の構造まで変わる?

5.ピアノを始めるならいつからが効果的?

6.まとめ~灘中合格への道~

1.習い事はピアノだけでいいって本当?

人気テレビ番組でもおなじみの著名な脳科学者の先生が「習い事はピアノだけでいい!」と発言され、話題になりました。先生によると、「ピアノは地頭をつくる万能な習い事」ということが脳科学的に証明されているそうです。

ピアノ演奏は驚くほど脳に良く、IQはもちろん、前頭連合野の持つ人間らしい知能=HQ(人間性知能)が、他の習い事に比べて突出的に高いというデータがあると言います。

その秘密は、手指と脳の関係にありました。

2.脳と手指の関係

《図:02-3-02》

ピアノの演奏では両手の指が全く違う複雑な動きをします。片手でメロディーを弾き、もう片方で伴奏を弾いたりします。このような左右両方の指を複雑に動かすことで、脳の監督役である「前頭前野」が構造的に発達するとされています。

また、指先にはたくさんの神経が集まり、脳に直結しています。上の図は、カナダの脳神経外科医であるワイルダー・ペンフィールド(1891〜1976年)の「ホムンクルスの図」です。脳には「運動野(=動作を指令する)」と「感覚野(=感覚を感じとる)」があり、それぞれが「手や指」の働きが「顔や口」などと同様に密接につながっていることを示したものです。5本の指と手のひらは、なんと運動野では約3分の1、感覚野では約4分1を占めていることになります。

3.脳をフル回転させるピアノ演奏!

《図:02-3-03》

一般にピアニストには長命の人が多く、認知症の人が少ないと言われています。ピアノを弾くことは、①楽譜をで見て「先読み」し、②瞬時に脳内に一時記憶し、理解、処理します。そして③手指はもちろん、ペダルも使うように指令が出されて弾き、④で聞いて確かめ、また次の楽譜を先読みします。

つまり、ピアノを演奏することは、この4つの流れを瞬間的に連続して行っているのです。

なかでも②の情報を一時的に保ち、それらを同時に処理する機能=「ワーキングメモリ(作業記憶)」を、脳科学者の先生は重要視しています。この機能が優れている人はいわゆる学業や仕事ができる人であることが多く、いわゆる「頭のいい人」であると言われています。ピアノは、この①~④の流れでワーキングメモリをフル活用するため、この機能がぐんと伸びると言います。このためピアノは、一般知識自己制御力注意力なども他の習い事よりも高いというデータが出ています。

4.ピアノを継続することで脳の構造まで変わる?

《図:02-3-04》

複雑な両指の動きと、ワーキングメモリのフル活用を継続的に行うことで、下記の4つの領域が発達して脳の構造までもが変わり、脳機能がまんべんなく活性化し、地頭が良くなります。

・「前頭前野」が発達して脳の機能が向上し、考える力がアップする

・「海馬」が発達し、記憶力がアップする

・「脳梁」が太くなり、左右の脳のバランスが良くなる

・「小脳」が発達し、運動機能や知的機能、感情的機能までも向上する

ピアノの演奏は、脳科学的見地から言っても、実に驚くほどいいこと尽くめなのです。

5.ピアノを始めるならいつからが効果的?

ピアノの稽古は、単純に技術を習得するだけでなく、地頭を良くする万能な習い事だと述べました。将来のいろいろな能力につながるので、最もいいのは幼児期からスタートすることです。できれば6歳、遅くとも8歳までにはいろいろな能力のベース作りとしてピアノを始めると、よりその効果が高まります。

《画像:02-3-05》

一方、大人になってからピアノを始める人も増えています。手指を使い、ワーキングメモリ機能が上がるため、老化防止認知症予防にもなるからです。

効果が出るのはピアノを始めて4ヵ月くらいからと言われています。そのまま2年くらい継続すると脳の構造が変わるそうなので、始めたらぜひ2年は継続してくださいね。

6.まとめ

ピアノが脳にとても良いこと、ピアノを継続的に弾くことで頭が良くなることが脳科学的にも実証されたことが分かりました。子どもの習い事に迷ったら、ピアノは最良のお稽古事としておすすめです。また、大人の「脳トレ」にも最適です。

しかしながら、住宅事情によっては楽器が禁止の場合もありますし、必ずしもすべての人がピアノを習えるわけではありません。

そんな場合には、ピアノのように、脳を使いながら両手の指を使うような「遊び」や「趣味」をもち、それを継続して行うのがよいでしょう。まずは手軽にできることから始めてみてはいかがでしょうか。

《画像:02-3-06》

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